「んなん仕方ねーじゃん。海華のやりたいことなら、俺応援するから」




「ありがとう…」




素直に応援してくれる飛鳥はカッコいい。



でも、“仕方ない”で終わるのもちょっと悲しい。



もっと押してくれないかな、なんて。



そんな風に思っていると、ふと飛鳥はこんなことを呟いた。



「じゃあ勉強、教えてやろっか?」



「え!お願いお願い!教えてほしい!」



私は塾に通っていない。



だから教えてもらうとしたら学校の先生とかしかいない。



けど学校の先生に聞きそびれて困っていた問題があることを思い出した。




「あー、これか」




飛鳥は真剣に問題冊子と向き合って、しばらく黙る。



そしてすらすらと流れるようにシャーペンを動かしていく。



「ん。できた」




「は⁉︎もう?」




だって私が渡してから数分しか経ってないよ。



私が1時間かけてもさっぱり分からなかった問題を、いとも簡単に解いてのける彼。