ー車に乗ること15分


「結菜、着いたよ 」

「やったー
早く、行こうよ…」


そう言って、車から降りると
冷たい北風がヒューっと…吹いてくる。

そっか………もうすぐ12月だもんね…
家から出ない日が多いから日付感覚があまりないのかも………


身体に冷たい風が当たると震えてしまうほど寒いけど、握られた手だけは陽翔の体温が伝わって温かい…


「…結菜、寒いけどお店の中入れば暖かいから、少し我慢して」

「うん、私は大丈夫だよ」

そう言って、陽翔といっしょにショッピングモールのほうに歩いていく。

私の歩幅に合わせて歩いてくれる陽翔…

ほんの少しのことでも、いつも私のことを気にかけてくれて嬉しい…


ずっと手を握ったまま、入り口に着き
中に入ると…

「わぁー! 陽翔見て、 きれい!」

思わず声を出してしまう。