「えー……こ、これから、体育祭の種目決めを……は、始め、ます……」
「う、うぇーい……」
「た、楽しみ、だなー」
「ゆーしょーめざそー」
……うわあ、ひっどい盛り上がり。
本日の授業ラスト。
6時間目まるっとホームルーム。
体育祭の準備を兼ねた、出場競技決めをするこの時間。
1年生全クラス、同時刻に設けられた。
隣のクラスでは、パーティー並ににぎわってる。
壁があってもうるさいもん。
しかし、1の4だけ、極端にしらけてる。
「ま、まずは、今年の種目を黒板に書きます、ね……」
司会進行役は、学級委員の影野さん。
メガネを5秒に1回は直してる、きょどりっぷり。
はい、自首します。
たぶん、3割くらい、あたしのせい。
あとの7割は、白髪姿になった彼。
今日の魁運は、いつになくピリピリしてる。
一応授業中だっていうのに、堂々と携帯をいじって。
ため息と舌打ちをもらしてる。
おかげでクラスメイトは終始、委縮しちゃってる。
「で、では……黒板に書いた種目から、出場したいのは」
「……クソッ」
「ヒィッ! すみません!」
あーあー、影野さんってば。
ほかのみんなもビクビクしすぎだよ。
魁運はなにか悩んでるだけだと思うよ?
こんなんでちゃんと種目決めできるのかな?