今日は、秋祭り!
夕方ごろから始まるお祭りを、あたしも裏方でお手伝いすることになっている。
だから休日でも早起き! えらい自分!
洗面所に行くと……あらびっくり。
魁運が頭皮チェックをしていた。
え!? 寝ぼけて見まちが ……ってない!
も、もしや、もうきてるの……!?
「魁運んんんん!!」
「……あ、朝っぱらから大声出すな」
「大丈夫だよ!!」
「は?」
「あたしはちっとも気にしない!」
知らなかったよ。
魁運が頭のことを悩んでいたなんて!
「若くしてハゲてても、悩みすぎちゃいけないよ? ハゲでも魁運はかい」
「誰がハゲだ」
「うんにゅっ」
ぐにゅ、と両頬をつぶされた。
あっ、そうだよね。「ハゲ」なんてドストレートな表現は禁句だったね! ごめんね!
ストレスためこむ前に、あたしになんでも言ってね! 魁運専用のサンドバッグにもなっちゃうよ!
「どんなかんちがいだ。ハゲてねぇよ。このとおりふっさふさだわ」
「へ?」
かんちがい?
「でも、今、頭皮チェックして……」
「頭皮チェック? ……あー、ちげぇよ。髪色を見てたんだ」
髪色……髪色……あぁ、なるほど!
色落ちしてきた金髪は、限りなく白に近い。
根本まで白い。真っ白だ。
「ハゲじゃなくてシラガに悩んで……!」
「ちげぇって」