昼休み、私はいつも通り美優と食堂まで行って、藤澤が合流したら2人とは別れて一人でお弁当。
…なんか、やっぱり時期のせいなのか
この食堂にも人が集まりすぎてて、飲み会に誘ったりととにかくにぎやかで、居心地が悪くて、私は人のいないところを探す旅に出た。…お弁当を持ってね。
でも中庭にも裏庭にも、人だらけ。
まぁ春だからね。みんな真面目にちゃんと講義受けに来てるんだよね。
そもそも人がいないところは喫煙所と設定されていて、本当になんか居場所がなくて…しかたなく、車に戻った。
まぁ、これがぼっち飯というものなんだろうけど、これはこれで全然嫌な感じはしない。むしろ居心地いいわ。
藤澤と美優はいつも食堂でラブラブお昼ご飯。まぁケンカとかしてたら別々なんだけど、大抵毎日一緒にご飯を食べてて、本当に仲がいいなと感心してしまう。
この時期は暑くもなく、寒くもないから本当にいい心地。
その小春日和を感じたくて、私は車のドアを開けたまま、お弁当を広げた。
昨日の嵐がうそのように、きれいな青空が広がっていた。
「いい天気だなー…」
これは食べたらお昼寝だな。決定。
もう本当にいい天気。
「わっ!!!」
「っ、!あぁぁぁあぁ!!」
な、なに!?
「あはははは」
「か、快!?
ちょ、なにしてくれてんの!」
「いやなんか車のドアが開いてるから何してんのかなーと思ったら1人だから、ちょっと驚かせてやろうと思ったら、予想以上に驚いてくれるから」
「もう!卵焼き落としそうになっちゃったじゃん!」
「落とさなかったんだからよかったじゃないですか」
「もうー…」
なんか、快って
最初会ったときは本当にいい子の塊だったのに…
ちょっと悪ガキになってきたぞ、こいつ。
たまに話しかけてくんなって圧もすごいし。
「てか莉乃さん、なんでこんなとこで1人なんですか?」
「あー、友達は彼氏とご飯だからいつも1人で食べてるの。
でも今日の食堂はすごいにぎやかだったから、気分転換に外出たんだけどどこも人だらけで、仕方なく車でね。
でもこれはこれで気も楽だし、いい天気だし、いい選択したなーって思ってたの」
「へぇ、そうなんですね」
「快は?なんで駐車場にいるの?」
「あー、俺も似たようなもんですね。
サークルの誘いとか、遊びの誘いが多すぎて面倒になったんで逃げてきたんです」
「やっぱりイケメンは大変だねー」
「…俺も一緒にいいですか?」
「ん?うん
私は全然いいよ!助手席座んな~」
「お邪魔します」
快はそう言って向こう側に回って、助手席へと乗り込んだ。


