私と後輩くん。




***


翌日、私は約束通り快を家まで迎えに行った。


「莉乃さん、昨日荷物おろせました?」

「う…さすがに全部は無理だから、水はやめてまだ後ろに乗ってる…
でも野菜とかは気合で全部下したよ!
じゃないと今日のごはん困っちゃってたし」

「一人暮らしも大変ですね」

「大変だよー
虫とか出たらもう泣きながら友達の彼氏に電話してる」

「いや、友達の彼氏って友達じゃないんですか」

「あ、友達か」


そっかぁ、藤澤も美優経由だけど友達なのか。
なんかあんまり意識してなかったけど、連絡先も知ってるし、夜でもうちに来て虫退治してくれるし。

そしたら連絡先交換してないけど西野くんももう友達なのかな。


「……莉乃さんちって、どの辺なんですか?」

「あ、快んちから西にまっすぐ行ったとこ。
意外と近いよ」

「え、そうなんですね。
もっと大学の方かと思っていました」

「そしたらあの店でバイトしてないって」

「それもそうですね」

「快こそ、大学もそこそこ遠くて、バイト先もそこそこ遠いのに自転車なんて大変じゃない?」

「あー、俺も車買いたいので
ちょっとそれまでは貯金期間です」

「へぇ、えらいね」


私なんて田舎に移るからって、おばあちゃんに買ってもらったのに。
おばあちゃんもポーンと買ってくれたしな…