一途すぎて、頭打ちになった好意はぐにゃりと曲がり、形を変え、私に届いた。



「僕をたぶらかして遊んでるのは野間さんの方ですよ」

「た、たぶらかしてなんか」

「そんな風に顔を赤くして、潤んだ目で見られたら僕、我慢できなくなる」



 惚けた表情の彼は本気だ。そこまでの好意を今の今までどこに隠し持っていたのか。


「赤くなんかないよ……」


 私は顔を隠したくて、額に手をあてる。


「そんなこと言ってると、本当に閉じ込めるよ」



 その言葉を聞いて、これはとんでもない後輩に好かれてしまったかもしれないと息を呑んだ。

そして、多分これは気の所為じゃない。



 でも、こんなに思いを寄せてくれる人がいたなんて、私は凄く幸せものなんだとも思う。