その話をしに、この喫茶店に来たのだと、直感的にわかった。
目の前の旭さんの瞳がニヤリと笑ったように見えたからだ。
「半ば強引にここに連れてきたのは、三春さんの為でもあるんだ」
旭さんは動物を愛でるような目で私を見た。
「どういうことですか?」
「優美が………今日ヴァン・ダインに来ているんだ」
私は旭さんが何を言いたいのか分からなかった。
「二人は、やっと再会できた。昔から両想いなんだ、優美と糸は。でも、二人とも不器用だからなかなか上手くいかないんだよ」
困ったなあと旭さんは肩をすくめる。
「それと私を連れ出してきたのには、何か関係が?」
旭さんはきょとんと首を傾げた。スマートな仕草で思わず見とれそうになる。
恐らく、こういう男性がモテるのだろう。



