「………全然わかってないじゃないですか。僕が言ってるのは、お詫びとかじゃなくて、これからは僕に会わないつもりなんじゃないかって話です」
クールで、物静かな糸くんが、珍しく怒っていた。
思いっきり図星で目が点になる。もしかして、顔に出ていたのかな?
そんな間にも、掴まれた腕に力が込められて、軋む。
「そんなの、僕は嫌ですから」
後輩と先輩。
店員と客。
それだけじゃない私たちの関係に名前なんてあるのだろうか。
「分かった。……じゃあ、あの、これからもよろしくです」
私がそう言えば、彼は次の瞬間には表情を緩めて手を離した。
そして、「あっ」と後ろめたい顔をした。
「型、ついちゃいましたね。………すみません」
「え?」なんの事やら分からず、腑抜けた声を出す。
「僕が掴んだ腕、ほら、ここ」



