僕からの溺愛特等席





無邪気にも思える純粋無垢な姿に、安心し、それでいて白さゆえに染めてしまいたくなる。



僕は煩悩に押しつぶされる前に、野間さんに布団をかけた。



 しばらく眺めていると、



下の階で──カランと扉の開く音がした。



ああ、そういえば野間さんを抱えていたので、鍵をしめていなかった。



クローズの札をかけていたが、灯りはつけたままだったから勘違いしたお客さんが入ってきたのかもしれない。





 野間さんを起こさないように、足音を潜ませ一階へ降りる。




「すみません、もう店じまい………」


 僕は息が詰まった。

その人物を見た途端、なぜか嫌な予感がふっと沸き立って、本能が警鐘を鳴らす。




「久しぶりだな、糸」



 その人は軽くて手を挙げて、軽薄に挨拶をした。



これは、まずい。



僕の唯一無二の大切なものが彼に取られてしまい、


そして僕がすっかり抜け殻になる末路がありありと見え、


焦りと独占欲がメキメキと膨れ上がっていった。