僕からの溺愛特等席





「なんか、来てくれるみたい」



電話を片手に佐原さんが言う。


そして、電話をクイクイっと持ち上げて訝しんだ。



「でも、信用できるの? この人」


「私もそこの喫茶店に三春ちゃんに連れて行ってもらったことがあって。
確か、大学の後輩だとかなんとかで、とても親しい仲でしたし、大丈夫かと」



華ちゃんが自信満々に答える。


「あ、でも、案外肉食系ってのが少々心配ですけど」



佐原さんに聞こえない声量でボソリと付け足している。



 その会話を不完全な頭で聞き、睡魔と闘っていた。座敷の壁にもたれかかる。



 頭がふわふわ、飛んでいきそうだ。


身体が火照って熱い。



これは完全に飲みすぎた気がする。