僕からの溺愛特等席




「あれ? でも、華ちゃんって佐原さんのことが好きなんじゃなかった?」



 華ちゃんはキョロキョロ辺りを見て、ふぅっと息を吐く。


そして少し赤くなった頬を膨らませた。



「もーう! 佐原さんは、ただの憧れなだけ。声大きいよ三春ちゃん、佐原さんいたらどうするの」



 恋バナしたいって言ってたのは華ちゃんなのに、と小さい声でぼやいた。



 それに今日は、佐原さんは朝シフトでもう帰った後だ。



「とにかく、飲み会、来てよね」と気づけば、華ちゃんは私の肩を叩き、満面の笑みで踵を返した。




 重労働で神経をすり減らすような仕事なのに、
底なしに明るい彼女を見ては、ほんとすごいなあと感心する。




 それと同時に、もっと頑張ろうと、元気を貰った。