「あ、そうだ。今日はちゃんと飲み会参加してよー」
華ちゃんは楽しげに私の腕を小突いた。
「分かってるよお」時々そういうのに顔を出すべきなのはわかっているけど、正直面倒臭いなとも思う。
それに、お酒はちょっと、私向きでは無いのだ。
「三春ちゃんと恋バナしたいしー!」
「そんな浮いた話なんてないのに」
「嘘だあ。さっきの電話、彼氏じゃないの?」
華ちゃんはニヤニヤと期待のこもった眼差しを向ける。
私はブンブンと手を振って否定した。
「違う、違う。お店に忘れ物したから電話かけてただけだよ」
私がそう言うと、華ちゃんは突然、興味をなくしたように肩を落とした。
「なーんだ。まあ、私もぜーんぜんなんだけどね」



