私の話を黙って聞いてたお母さんだったけど、全部聞き終えると、

「美音がそこまで考えてるんなら、やって
みなさい。」

って言ってくれた。

「でも、条件がひとつ。
奏くんと同じ高校に行けるくらいまで
成績を上げなさい。」

は!?

「お母さん、聞いてた?
奏先輩は、400点超えてるんだよ?」

「そうよ。
その奏くんに教えてもらうんでしょ?
だったら同じレベルを目指しなさい。
今より10点、20点上げるなんて小さな目標
なんていらないから。」

んーーーー

お母さん、鬼!?

でも、ここで無理って言ったら、きっとアンサンブルはなくなるし…

「………分かった。
奏先輩に追いつくのは無理かもしれない
けど、せめて400点を取れるくらいには
頑張るよ。」

私がそう言うと、お母さんはにっこりと笑った。

「楽しみにしてるわ。
テストも、EFも。
頑張ってね。」


私は自分の部屋に行って、奏先輩にメールをする。

『アンサンブル、条件付きですが、許可が
下りました。
よろしくお願いします。』

すぐに返信が来る。

『やった!
こちらこそ、よろしく。
ちなみに条件って?』

言うべき?

迷ったけど、正直に返信する。

『400点を取れるようになることです。』

『了解(`_´)ゞ
任せて。森宮ならきっとできる。
どっちも頑張ろうな!』

『はい!』

どうしよう。

すっごく嬉しい。

奏先輩と一緒なら、頑張れそうな気がする。