「うぜえ。消えろ」

殺気立つ瞳をむき出しにして睨みつける。


「私はそんなこと言われても、ちっとも動じませんよ!」

元気の(かたまり)が、そのまま人間の形になったような、うるさい女だ。


まだ初々しさを残している、真新しい制服。

(つぶ)らな瞳に、透きとおるような白い肌。薄紅色の唇は、断固として引き下がらないと主張してるように、一文字に結ばれている。

色気づいてなにかを付けているのか、それとも俺への嫌がらせか、いつにも増して甘い香りを漂わせていた。

グツグツと沸騰(ふっとう)するように熱くなってくる身体。気を抜いたら吐いてしまいそうで、俺は女に背を向けた。