歌って。運命の赤い糸 ~ずっと会いたかった~


得意げなおばあさん。
その姿に苦笑する。

「残り香?」

「強い思いには「匂い」があるのじゃよ!
残り香が残る程になると....随分、恋に憧れて
おるのじゃなぁ~」

ニヤニヤ ニヤニヤ
おばあさんの表情に、

顔が熱くなる。

「高校生になってまで恋に憧れて....
子供ですかね?」

「んにゃ。素敵じゃと思うぞ!
だから、ワシらの仕事の意味があると
言うもんじゃ!!」

そう言うとおばあさんはガサゴソと鞄を漁る。

「仕事?」

そして、小さな瓶を取り出した。

「手ぇ、出してみ?」