知らない声。 肩を強く引かれて、 背中に体温を感じる。 引き寄せられた? ゆっくりと瞳を開ける。 端正な顔立ち。 短く、整えられた黒髪。 黒に近い青の瞳にキョトンとした私が映る。 あれ?この人どこかで....? すると、気持ち悪い男性が上擦った声を出す。 「なんだよあんたっ!関係ないだろっ! ....って!?あんた、久世 葵!?」 「そうだけど?それが何? 早く、手。離せよっ!」 鼻を鳴らす。