歌って。運命の赤い糸 ~ずっと会いたかった~


時が動き出す。

電車を降りて、
人の波を抜けて、

追いかける。

妖精は飛び走りながら、

歌を歌う。

私の大好きな「恋の歌」を。

「運命の恋」を歌ってる。

「はぁ....はぁっ!ま、待ってっ!」

たまに振り返って、ふわりと微笑む。
その笑顔に、胸の高鳴りがましていく。

いる。

いる。

分かる。

この先に、運命の人がいる!!

私だけの誰かがっ!!

「きっと....!!」

ドンッ!!

男の人にぶつかってしまう。
この人が....?

顔をあげる。

「お嬢ちゃん?可愛いね?」

ニヤリと笑う男性。

やってしまった....。