泡沫夢幻



「え?」
俺の言葉に突然固まる水瀬。

「その事故で、俺の兄貴が死んだ」
あ、と何かを思い出したように
もう一度俺を見つめる。


「ご両親のお墓どこ?
もうすぐ日が暮れるから一緒に行こう。」
と聞くと、ここから30分ほどでつく
田んぼの中にあるお墓というから驚きだ。


「もしかして西園寺(サイオンジ)の方?」
俺の母さんと兄貴の眠る墓地の近くに
もうひとつ西園寺管轄の墓地がある。

コクッ

と無言で首を縦に振り、
花に 握りしめちゃった、ごめん と呟いた。