「あの鍵の件だけど」 そう切り出したひよりは一冊のノートを取り出した。 そのノートは、ネックレスと一緒に箱に入っていたものらしく、 彼女の母親が生きた証と、彼女の母親の姉___野崎の母親 / 神崎理子_が贈ったひよりや彼女の母親への謝罪と愛情など、さまざまなことが書かれていた。 「ありがとう」 そう笑った彼女の胸元で雪の結晶が小さく揺れた。