熄えないで







「蒼志は、良い奴です」

「うん。そんな気がする」

「先輩が今日買った本も、その喧嘩の後に蒼志が折れに勧めてきたんですよね。『このヒーローかっこよすぎるから俺もリカちゃんに告白する!』って言って、何回も振られてて」



当時の蒼志くんを想うと少し心が痛いけれど、それでも彼が今あんなふうに笑えているのは吉乃くんが友達だからなのかな、とそんなことを思って勝手にうれしくなった。




「ぎゃっ!」
「うわあ!」



───そんな声が聞こえてきたのは、吉乃くんの話が一区切りついたタイミングのことだった。




ぎゃあ?うわあ?

家に向かう道の途中で、しかもこの聞きなれた声となると、声の主は“あの2人”しか考えられない。


ゆっくりと振り返ると、電信柱に隠れているつもりなのか 全然隠れ切れていない咲斗と瑛斗を見つけた。