「お粥を作ろうと思って…」



そうなんだ
納得してる場合じゃない



「どうしてここに⁇」



「管理人に婚約者ですって言ったら
普通に通してくれた
玄関は無用心にも鍵がかかって
なかったんだ」




悪びれた様子もなく彼は言った




昨日は何も考えれなかったから
鍵を閉め忘れたんだ




「いや〜婚約者じゃないですから
川島と付き合ってるって言いましたよね⁇」




「うん…聞いた」




「じゃあ分かりますよね⁇
私のプライベートに関わらないで下さい」




「いや関わる
この部屋には俺の物がそのままだろう
静流は俺の事忘れてなかったんだろう⁇
川島と付き合っているんだったら
俺の物を置いておくか⁇」



「それは…そのう…」



何も言えない
捨てれずにいたのだから…




でも昨日見た光景が頭から離れない



「…代表は
どうして私に関わるんですか⁇
私を惑わさないで下さい
もう苦しいんです」




彼は目の前に来た
そして流れている涙を拭いてくれた



私を抱きしめて




「静流はそのまま惑わされていればいい」




耳元で囁かれた




耳が熱い




「そんな事できません」




身体を離し唇を塞がれた




涙が止まらない
貴方が求めてくると答えてしまう
私の身体が自然に反応する