「コーヒーを煎れて欲しい」



「コーヒーですか 承知致しました」



部屋を出ようとすると



「ここにある」



その声に振り返った



彼が歩き出した
私は後ろについて行った



同じ部屋の中にドアがある



彼がドアを開けた




「ここだ」




そこは小さなキッチンが備えつけてあった
中に入ってキッチンの周りを見渡した




ドアの閉まる音
出て行ったのかと思い振り返ると



私を見つめる彼がいた



そして突然腕を掴まれそのまま壁に
私の身体を押さえ込み唇を塞がれた



右手は私の腕を抑え左手は腰に
私を逃がさないように
抵抗しようと思えば出来たのに…



深く深く落ちていく
落ちたらダメなのに…
求められると答えてしまう



彼の唇が首筋に降りてくる
ダメだと思うのに…
首筋がチクリとした



そして離され



「お前を絶対離さない」



と言って出て行った



なぜ貴方は私を求めるの⁇



冷静になってコーヒーを煎れた
コーヒー豆は7年前のあの時と同じ
私が好きなコーヒー豆覚えていたの⁇
当時彼はあまり飲まなかっだけど、私が
このコーヒー豆を買って煎れる様になってから
コーヒーを飲む様になった
"静流の煎れるコーヒーは特別"
といつも言ってた



なぜ⁇私を捨てたはずなのに…



煎れたコーヒーを持って彼の所へ向かった