笑顔で松田くんに言った。

松田くんはお疲れ様、またね。と言いカバンを持って教室を出ていった。


ふぅと息を吐く。
それと同時にドアの方でガタッと音がなった。


え?なに?


勢いで振り返ると


「……蒼」


き、きかれた……。



「い、いや聞くつもりはなかったんだけど……」


蒼の目が泳ぐ。

そりゃ、フラれた現場に鉢合わせするのは気まづいよね。



「大丈夫だよ。帰ろっか」


そう言い、鞄を持つと

「……萌桃は心が綺麗なんだな」

と蒼は言った。ドクンと心臓が嫌な音を立てる。


「…そ、そうかな」

苦笑いした。
……心が綺麗なんてそんなの私にはありえないから。