そんなオレを相手に1年間、 この子は半ばあきれた様子で、もしかしたらあきらめた感じで、オレのベランダ侵入を容認してくれている。 それ以上の進展は……ねーけど。 ひょっとしたらこのまま、「イイ関係」で終わっちまったりしてな……。 そんな危機感も抱きつつ、時間を重ねてきた。 「郁己くんが、好き」 どうやらその時間は、無駄じゃなかったらしい。