年下くんの甘い毒。



私たちは適当なカフェに入って向かい合わせに座った。


「涼子さんは今までどんな恋愛してきたんですか?」


急な予想外の質問にえ、と言葉に詰まる。


普通、元カレの話って聞きたくないものじゃないのか。


だけど目の前の大橋くんはむしろ興味津々といった様子だ。


「薄っぺらい恋愛ばかりだよ。すぐ別れちゃうし」


告白されて何となく付き合って、こっちがその人のことを好きになりかけたくらいでやっぱり思ってたのと違ったって振られるのが毎度のこと。


顔だけで印象を決め付けてたのはそっちだろ、って。


だから数は多くても本気で人を好きになったことがなかった。


「これからは俺が愛を沢山伝えます。薄っぺらいなんて、言えないくらいに」