幽霊高校生のまつりちゃん



「聖学か。亜子にぴったりの高校だね」

「ありがとう。でもまだまだ勉強して頑張らないとダメだけどね」

裏口入学などが一切できない伝統ある学校のため、いくらお金持ちの生徒でも入学することはできない。

よって、正当な一般入試の合格者だけが通うことができるので、私は受験という言葉が飛び交う二年ほど前から塾にも通っている。


すべての勉強は聖学に受かるため。

それ以外の進路なんて考えていない。


それから一時間後。私たちは本を片付けて帰る支度をはじめた。

本屋にパン屋が入っていることにも驚くけれど、その他にも文房具や雑貨なども一緒に陳列されているから一日中いても飽きない。


「あ、見て。これ可愛いよ」

出入口へと向かっている途中で、私は茶色いバンドに白い文字盤がついているオシャレな腕時計を見つけた。

アクセサリーと一緒に置かれていた時計は値段もリーズナブルだった。


「本当だ、可愛い!」

私と友香は性格こそ違うものの、洋服や小物などの好みはいつも似ている。


「欲しいけど今月は参考書買っちゃったからムリだな……」

誰かに買われてしまいそうで惜しいけれど、仕方ない。


「そういえば私、腕時計って持ってないかも。亜子はたまにしてるよね」

「うん。時計してると時間を見ながら効率的に動けるからさ」

受験勉強は長期戦。気持ちが途切れないためにも、時間管理は重要なことだった。