確かめるに美術室に見にいくことになり、一度確認してきたクラスメイトたちもぞろぞろと廊下に出はじめた。
「友香も行こう」
「う、うん」
一階にある美術室の前には全員分の絵が貼り出されてあった。
自分の絵を見ると、みんなが言っていたとおり、そこには金賞と書かれてある。
「亜子って本当になんでもできるよね。すごいよ!」
他のクラスの人たちにも褒められて、私は否定するように首を横に振る。
そんな中で、友香は自分が描いた絵をじっと見つめていた。
実は友香は美術部で、小さい頃から絵を描くのが好きなことは私が一番よく知っていた。
「ゆ、友香。今回は本当にたまたまだよ? 自分でもなんで選ばれたか分からないくらいで……」
「ううん。亜子の絵は上手だよ。これで選ばれなかったら逆におかしいくらい」
「友香……」
最近、友香は私に対してよそよそしくなった。
親同士の仲がよくて、姉妹のように育ってきた私たち。
友香は昔から控えめな性格で、私の一歩後ろを付いてくるような女の子だった。
私は要領が良いので、運動も勉強もわりとそつなくこなすけれど、友香は一生懸命だけど不器用で、うまくいかないことのほうが多い。
そんな経緯もあって、友香はいつも自信がなさそうに私に遠慮している。