「これ全部盗んだものでしょ?」
「ち、違う!」
「アンタが自慢してたこのライト付きの鏡だって三年の先輩が持ってたやつだから」
「そんな……」
ま、待って。どういうこと?
もちろん私はやってない。
でも、私じゃない期間のことは知らない。
まさか未来が……?
「わ、私じゃないよ。この鏡もコスメも優香のピアスだって本当に違う!」
「いい加減にして!!」
パンッ!と鈍い音が響いた。優香にビンタされた頬がヒリヒリと痛む。
「未来が人のものを欲しがる性格だってことはみんな知ってるよ。だから英里の彼氏も取ったんでしょ?」
「なに、言って……」
優香の後ろから英里ちゃんが出てきた。
その手にはスマホが握られていて、みんなに見えるように画面を前に向ける。
そこには映っていたのは先日、雪斗の家に行った時に撮った写真だった。
「これ雪斗に送ってもらった。問い詰めたら未来から迫ってきたって」
泣きながら言う英里ちゃんの肩を優香が支えていた。
「友達の彼氏まで取るとかマジで最低」
違う。私じゃない。
「泥棒はさっさと消えろよ!」
空っぽになったカバンを投げられた。みんなが私のことを冷たく見ている。
なんで、なんで、なんで?
私は視線に耐えられずに逃げるようにして校舎から出た。
味方が欲しくて雪斗に電話をしたけれど、何回かけても繋がらない。
未来がたくさんの物を持っていたのは全部人のものを盗んでいたから……?
聞いてないよ。そんなこと。



