幽霊高校生のまつりちゃん



それからあっという間に放課後になって、優香たちは言っていたとおりボーリングに行った。

私はというと久しぶりのバイトで足取りが重い。

お金を稼ぐためにたくさんのシフトを入れて、時給が少しでも上がるように真面目に仕事をしてきたけれど、今は適当でいいやと思ってしまう。


「高橋さん、三名入ったからお水ね」

「は、はい」

未来はホール担当なので、キッチンでの作業とは内容が全然違う。

ホールでの仕事は初心者なので分からないことだらけだ。

きっと未来もてんやわんやしてるだろうと気になったけれど、結局仕事が終わる時間まで未来とは会わなかった。


「お疲れさまでした」

三時間程度のバイトはすぐに終わった。

慣れない作業ばかりだったけれど、キッチンでは評判が悪い男の店長が助けてくれて驚いた。

きっと未来が今までバイト終わりに疲れを見せていなかったのは、こうして困れば誰かが手助けをしてくれていたからだと思う。

未来になったことで本当に得しかない。


「久しぶり」

ロッカールームに行くと、未来が着替えをしていた。


いつもいい匂いをさせていた頃とは違い、未来から漂ってきたのは汗と油が混ざったような匂いだった。


「うん。久しぶり」

なんだか未来の顔が疲れている。


「今日もいっぱい怒られてたらしいね」

「うん。入れ替わってからずっとだよ」


ホールの人が私になった未来のことを噂していた。

今まで誰にも頼らずにテキパキと仕事をしていたのに、今はなにをやらせても失敗ばかりだと。

まるで人が変わったみたいだとドキッとしてしまうことも言われているらしい。