幽霊高校生のまつりちゃん



そして次の日。私は学校に行くためにドレッサーの椅子に座っていた。


「慣れてきたね」

まつりは短時間で化粧をしていく私の手つきに感心していた。


「でしょ?」

自分でも試してみたいメイク道具を怖がらずに使えるようになったし、優香からも下手なことを指摘されなくなった。

なにより鏡に映る自分の可愛い顔に、やっと慣れてきた気がする。

ヘアオイルをつけた艶やかな髪の毛をひとつに結んで、ピンク色のシュシュをつければ、誰もがうらやむ私の完成だ。


「ねえ、未来は今日バイトだっけ?」


学校に登校してすぐに、優香から声をかけられた。


「うん。そうみたい」

お金を稼がなくても良くなったのですっかり忘れかけていたけど、スマホに書かれていたスケジュールにはばっちりとシフトが入っていた。

正直面倒だし、やる気も起きないけれど、たしか私のシフトも今日がバイトだったはずだから未来も店に来る。

人生を交換してから初めての再会だ。


「バイトなら遊びに行けないね。今日はみんなでボーリング行こうって話してたんだよ」

「えーそうなの?」

……ボーリング、行きたかったな。


「でね、今日アクセ忘れちゃったんだけど、未来のピアス貸してくれない?」

みんな遊びに行く放課後は必ずメイクを直して、ピアスやネックレスをつけてオシャレをする。


「うん。いいよ。どれがいい?」

優香の好みが分からないので、カバンに入っていたアクセサリーポーチの中身をすべて出した。


「あ、これ……」

優香が手に取ったのはエスニック風の垂れ下がるピアスだった。


「それ可愛いよね!」

未来はファンシーなものからアジアンテイストのものまで、幅広い形のピアスを持っている。

思い返してみれば未来は会うたびに新しいアクセサリーをしていて、同じものを身につけていたことがない。


「じゃあ、これ借りていい?」

「もちろん!」

私は気前よく優香にピアスを貸した。