幽霊高校生のまつりちゃん



その日はキス以上のことはされずに、楽しく自宅デートは終わった。

家に帰るとママがA5ランクのお肉を見せてきて、今日の晩ごはんはすき焼きにするそうだ。


「今日って誰かの誕生日?」

「どうして? 誕生日じゃないわよ」

と、いうことは未来の家では特別なイベントじゃなくてもこんなにいいお肉を食べてるってことなんだ。

人生のランクづけは生まれた時から決まっていると自分に言い聞かせてきたけれど、改めて未来は勝ち組の人だと思う。


「ねえ、見て。このリップ。ママも未来ちゃんの真似しちゃった」

それは、未来のポーチにも入っていた赤色のリップ。


「ちょっと若すぎるかしら?」

「ううん。似合ってるよ」

「ふふ。今度お揃いのリップをつけて買い物に行こうね。ほら、未来ちゃんが欲しいって言ってたお洋服があったでしょう?」


本当にママは若くて可愛い。うちのお母さんとは大違いだ。

こんなことを言ったら怒られてしまうかもしれないけれど、お母さんは苦労が顔に出ている。

お世辞でも若いとは言えないし、病気を患っているせいで一緒に買い物だって行けない。

私も最初から未来のママの娘で生まれていたら苦労なんてしなかった。


「あ、そろそろパパも帰ってくるから、急いですき焼きの支度するね。未来ちゃんはソファに座って待っててね」

きっと幸せってこういうことを言うのだろう。 

幸せすぎて涙が出そうになった。