幽霊高校生のまつりちゃん



「犯人が外部じゃないってことは、生徒の誰かがやってるってこと?」

私はまだどんな生徒がいるのか把握していないから、犯人がいると思うだけで少し怖くなる。 


「だってさ、空き教室を狙って物を盗んでいくなんて、時間割を知ってる人物じゃなきゃ出来ないじゃん」

「た、たしかに」

「時間割なんて、他のクラスのものも簡単にチェックできるし、ねずみのようにちょろちょろと物を盗んでいくから、絶対に女だよ」

「なんで?」

「男はアクセとかコスメとか盗まないっしょ。私も一番お気に入りだったピアス取られて本当にショックだよ」


どうやら優香も被害者のひとりのようだ。

平和に見える学校でそんなことが起きていたなんて、昨日から登校してる私が知るはずもない。


「未来も気を付けなよ。いい物持ちすぎてるんだからさ」

「う、うん」

とりあえず貴重品だけはつねに持ち歩くようにして、カバンも机の脇ではなくロッカーに入れておくことにした。


【今着いたから待ってるよ】

それから1日の授業を終えて放課後。

雪斗からのメッセージを確認しながら、私は待ち合わせの駅前へと急いでいた。


「そんなに走ったらせっかくした化粧が崩れちゃうよ?」

まつりはずっと私の後ろに憑いている。


監視されているようで落ち着かないと思っていたけれど、まつりは私の生活を邪魔するようなことはしないので側にいても気にならなくなっていた。


「大丈夫だよ。さっき化粧直ししてきたから」

「直したってことは可愛く思われたいってことだね」

「ち、違うよ」

「まだ会ったこともない人と付き合ってるなんて不思議だねー。私も早く亜美の彼氏が見たいな」

まつりは弾むような声で言った。