「雪斗になにかされちゃうんじゃない?」
「な、なにかって?」
「えー私に言わせるの?」
まつりがクスリとしたのを見て、自分の顔がみるみる熱くなってくる。
「亜美は未来になったんだから、未来が今までしてきたことも、その責任も、ぜーんぶ亜美が同じようにしなきゃいけないんだよ?」
「そう、だよね」
私だって遊び半分で未来になりたいと願ったわけじゃない。
そんな中で、ふと自分になった未来のことを考えた。
あっちは大丈夫だろうか。
今日は由美のお弁当の日だったけれど、ちゃんと作ってくれたかな。
悟史も私が時間割を見て持っていく教科書をランドセルに入れてあげないと忘れ物ばかりをしていたし。
お母さんだって放っておくとどんどん気持ちが沈んでいくので、しっかりと気にかけてあげなきゃいけない。
まだ手のかかる由美や悟史の面倒を未来は嫌がってないかな。
お母さんの病気も理解してくれたらいいけれど。
「気になるの?」
まつりが私の心を見透かしたように言った。
「気になるけど……気にしない」
私は高橋未来で、もう高橋亜美じゃない。
せっかくなんにも縛られない人生になったのに、心で縛られていたら意味がないから。



