幽霊高校生のまつりちゃん



私はそのあと未来の制服を着て、初日の学校へと向かった。

未来が通っている高校は知っていた。学力は平均的で、校則もあまり厳しくないので、人気の高校でもある。

もし自分が高校受験ができる環境にいたら、間違いなく第一志望にしていたと思う。

学校の近くまで行くと、同じ制服を着た生徒がたくさんいた。

定時制だと車やバイクで登校してくる人も珍しくないので、こういう通学風景も久しぶりのこと。


「おはよう、未来」

「今日の課題やってきた?」

「この前言ってた話の続きなんだけどね」 


ドキドキしながら校門を過ぎると、見知らぬ人たちに声をかけられた。

容姿は未来でも中身は私なので、みんなの名前が分からない。


「えっと、その……」

困ったように口をモゴモゴとさせていると、まつりが後ろから耳打ちをしてきた。


「未来の友達関係や学校の情報を亜美の中に入れることもできるよ」

……そっか。願いはひとつだけじゃなくていいんだから、まつりに頼ればいいんだ。


受け入れるようにコクリと頷くと、すぐに未来の情報が頭に入ってきた。

それは特別に手をかざすわけでもなく、いとも簡単に。

私としての精神は変わってないけれど、今声をかけてきた人たちの名前や未来の友達関係。

そして校舎のマップや敷地内にある施設の場所も把握することができた。


……これだったら、なんとかなる!

まつりのおかげで自分の下駄箱もすんなりと分かって校舎の中に入った。

すれ違う人たちを横目に、自分のクラスである二年C組に着いた。