「そんなに大変なら……私と人生を交換してみる?」
「え?」
「なんて、そんなことできる方法はないんだけどね」
未来はそう言って笑った。
私に同情して言ってくれたのかは分からない。
でも未来と人生を交換できたら……それは本当に夢のような出来事だ。
未来になれたら、私が諦めていたものがすべて手に入る。
ただの空想だとしても心が踊った。
「も、もし本当に交換できる方法があったら、私が未来になってもいいの?」
そしたら私は普通になれる。
学校に行って、友達と遊べて、恋もできる。
いちいちお金のことを気にしなくてもいいし、バイトだってお小遣い程度で構わない。
専業主婦のお母さんがいて、銀行員のお父さんがいて、誰の世話もしなくていい悠々自適の一人っ子生活。
もしそんなことが本当に叶うのなら……。
「うん。いいよ。亜美が私になっても」
未来の言葉を聞いて、私はゴクリと唾を飲み込んだ。
こんなにも欲望が沸き上がってくる理由はひとつ。
それは夢でもなんでもなく、未来と人生を交換できる方法を知っているからだ。
今まで何度か訪れたことがある噂の場所。
幸せになりたい。お金持ちになりたい。
そんな願いを叶えてほしくて頼ろうとしたけれど、怖くなって結局止めてしまった過去がある。



