幽霊高校生のまつりちゃん




予想どおり公園には人がたくさんいた。

日曜なのでお父さんの姿も多くあり、あちこちに幸せな家族の形が溢れている。

由美も悟史もうちにお父さんがいないことはちゃんと理解している。

そのうち私のように自分の家が普通の家庭よりも下の生活をしているということに気づくだろう。 

幸せそうな人たちを避けるようにして、私たちは公園の隅で遊ぶことにした。

由美は小さな砂場でトンネルを掘り、悟史は壁に向けてサッカーボールを蹴っている。

私はそんなふたりを見守りながら、せっせとエサを運ぶアリを見つめていた。 


「……亜美!」

と、その時。誰かに名前を呼ばれた。

タタタッという足音が聞こえると同時に、後ろから白いワンピースを揺らした女の子が走ってきた。


「え、み、未来?」

「ハア……やっぱり亜美だ! たまたま公園の横を歩いてたら亜美っぽい人を発見してね。絶対そうだって走ってきちゃったよ!」


亜美はデート帰りだったのだろうか。髪の毛を三つ編みにして、ウェッジソールのサンダルを履いていた。


「わあ、可愛い! 亜美の弟と妹?」

「う、うん」

未来の前で姉弟の話をすることはあるけれど、厳しい生活をしてることはもちろん言っていない。

公園からは私たちが住んでいる団地が見える。

あんなところに住んでいるなんてバレたくない。