幽霊高校生のまつりちゃん



「未来の家ってお金持ちなの?」

組まれているシフトから計算すれば大体もらっている給料は計算できる。

どう考えてもそのお金だけじゃこれだけのものを買うことはできないはずだ。


「んー普通だよ。ママは専業主婦だし、パパは銀行員で総合職してる」

銀行員って、エリートじゃん。

未来の性格や容姿から想像するに、両親もきっと華やかな人たちに違いない。


「あ、ごめん。スマホ鳴ってる」

まだバイブ設定にしていない未来のスマホにメッセージが届いた。

画面を見るなり嬉しそうに顔を緩めたので、おそらく送り主は彼氏だ。

たしかその彼氏はひとつ年上だって聞いた。前に写真を見せてもらったことがあるけれど、ものすごくイケメンだった。


……彼氏か。いいな。

ほとんど同じ毎日を過ごしているので出逢いなんてないし、そもそも身だしなみに気をかける余裕もない私のことなんて誰も恋愛対象として見ないだろう。


「亜美はこれから妹の迎えでしょ?」

「うん。で、そのあと学校」

まあ、その前にご飯の支度もあるけど。


「髪の毛くらい整えていきなよ」

そう言って未来はボサボサの私の髪の毛を触ってクシでとかしてくれた。


「油臭いでしょ」

「仕方ないよ。亜美が頑張った証拠じゃん」

未来は可愛いだけじゃなくて、優しくて性格もいい。

バイト仲間の人たちにも好かれているし、友達もたくさんいる。


「じゃあ、私もう行くね!」

未来はホールの制服に着替えて、ロッカールームを出ていった。


……未来って、なんかすごくキラキラしている。

同い年なのに、なんでこうも違うのかな。

なにひとつ持っていない私とは違って、未来はなんでも持っている。
 

それが、たまらなく羨ましかった。