幽霊高校生のまつりちゃん




次の日。悟史を学校に送り出して、由美を保育園に届けたあと、私はバイトに向かった。


今日は料理の下ごしらえをするスタンバイもやらないといけないので、保育園から猛ダッシュ。

着く頃には汗が滲んでいて、そのうえキッチンは一年中暑い。

スタンバイは予定どおりにできたけれど、いつも一緒に働くことが多いパートのおばさんが休みだったので、忙しくて休憩も取れなかった。


「大丈夫? 疲れてるね」

夕方。やっと仕事が終わってロッカールームで着替えていると未来に会った。


「疲れたよ。めちゃくちゃ混んだ」 

「そうなの? 今はけっこう空いてきたみたいだよ」

未来は私と入れ違うようにしてこれからバイトのようだった。と言っても、彼女は基本的に学校が終わってからバイトに入るので、時間にして三時間程度だ。

汗でひどいことになっている私とは反対に未来は今日も可愛くて、接客をするために化粧を直していた。


「っていうか、その鏡すごいね」

手持ちタイプの鏡の周りが眩しく光っている。


「女優鏡だよ。ライトつきの」

「そんなの売ってるの?」

私なんて手鏡すら持ってないというのに。


テーブルに置かれている未来の化粧ポーチは見るたびに変わっている。

リップもアイシャドウもアクセサリーもバッグもたくさん持っていて、バイトの人が「新作いいなー」と羨ましがっているので、未来は新しいものがでるたびに買い揃えているんだと思う。