幽霊高校生のまつりちゃん



「お姉ちゃん、ご飯!」

「お姉ちゃん、おしっこ!」

だって、私はこの家の長女だからやるのは当たり前だ。むしろ私がやらなかったら生活は成り立たない。

妹や弟にせがまれている私を横目に、お母さんは「また寝るね」と言って居間に行ってしまった。


自分なりに母の病気のことは理解している。

頑張れという言葉が禁句なことも。

でも家の片付けもしない。ご飯も作らない。弟と妹の面倒も見ない。

ぜんぶ私が母親代わりをしなきゃいけない環境には慣れたけれど、たまにすべてを投げ捨ててしまいたい気持ちになったりする。


それから晩ごはんを作って、ふたりをお風呂に入れて、溜まっていた洗濯物を干し終わった頃には日付が変わっていた。

明日は由美のお弁当の日だし、そういえば悟史は学校から歯科検診の紙が来てたはず。

バイトは早番だし、覚えなきゃいけない新メニューの確認もまだできていない。

本当に毎日毎日、やることが多すぎる。

それでも私は、もらった給料を自由に使ってストレスを発散することもできない。

外ですれ違う同い年の子は、オシャレをして遊んで恋もしてる。

仕方ないと諦めていることのほうが多いけれど、本当は私だって普通の高校に通いたかった。


こんなに不幸で楽しくない17歳は私ぐらいだと思う。