***


「あーつまらない。つまらないなあ」

四番目の交差点に戻った私は、ガードレールに腰かけて足をバタバタとさせていた。


日比野若菜は、願いを叶えた代わりに今までの繋がりを失った。


どんなことをしてもすがりたかった世界。

でもそれと引き換えに彼女は、なにをしても壊れないたったひとつのものを手に入れることができたのかもしれない。


スマホの中にある小さくて広い世界。

もし壊れない唯一のものがほしいと願うなら、顔を上げてみたらいい。

案外、大切なものはきみの近くにあるかも、なんてね。



《第一幕 友達になりたい END》