幽霊高校生のまつりちゃん




中学生の時、私はいつも教室の隅にいた。

あの楽しそうな輪に入りたい。

友達がいるってどんな気分だろうと、遠目から羨ましく思っているだけだった。


私の願いは、たったひとつ。

大勢じゃなくていい。

派手なグループじゃなくていい。


化粧で顔を誤魔化して、面白くもないのに笑って、嫌なことも嫌とは言えない関係をつなぎとめたかったわけじゃない。

私が望んでいたことは、SNSの鍵を開けることじゃなく。

ただ、おはよう、ばいばい、また明日って自然に言えるような。

ありのままの自分の鍵を外しても、笑い合える、許し合える、そんな友達がほしかった。


「ねえ、若菜。その手。スマホを打つ以外にもなにか使えるんじゃない?」

「ま、まつりちゃん……」


「願わないならつまらない。だから、もうばいばい」


徐々に薄れていくまつりの姿。

私はとっさに触れようとした。けれど、それは空気みたいに通り抜けてしまい、彼女は音もなく消えてしまった。