「若菜、大丈夫? 私がなんとかしてあげようか?」
膝を抱える私と目線を合わせるようにして、まつりも腰を屈めた。
「その涙を止める? それとも自分のことを棚にあげて文句を言ってきたあいつらを懲らしめる? もしくは……泉谷さんになにかしちゃう?」
漆黒のような瞳で、まつりがまっすぐに私のことを見ていた。
「ねえ、早く願ってよ。若菜」
そうだ。まつりに言えばなんでも叶えてくれる。
まつりのことを呼び出した人たちはそうやって、自分自身を救っていく。
私の願いはなに?
三人に復讐すること?
泉谷さんに仕返しをすること?
私の本当の願いは……。
「願わないよね。若菜は。だって、若菜は壊したいんじゃなくて、壊れないものがほしいんだもん」
まつりが見透かしたように言った。
「いつもいつもスマホの中ばかり見て、そこに若菜の欲しいものはあったの? なにもないから、ずっとずっと探すようにみんなの呟きを見てたんでしょ」
まつりの言葉がストンと胸に落ちてくる。



