「日比野さん、おはよう。こんなところでなにしてるの?」
きょとんとしてる泉谷さんに対して、沸々と言葉にできない怒りが込み上げてきた。
「……なんで」
「え?」
「なんで璃子たちに私の鍵アカを見せたの!?」
静かな昇降口に自分の声が響く。
あの三人が私の鍵アカを勝手に見られるはずがない。
泉谷さんのスマホから見たと言っていたことが全ての答えだ。
「ひどいよ。泉谷さんのこと信じてたのに……」
信じていたからこそ、自分が思っていたことを全部呟いた。
でも、もう終わりだ。
クラスメイトたちだってみんな璃子たちの味方をするだろうし、今さら別のグループにも入れない。
今までひとりにならないようにずっと努力してきたのに、明日から私はひとりぼっちだ。
「なにそれ。なんで私が責められなきゃいけないの? 自分の気持ちをSNSに書き込んだのは自分でしょ」
「でもそれは、泉谷さんがやれって……」
「やれなんて強制してない。そういう方法もあるよって教えただけだよ」
……たしかにそれはそうかもしれないけど、泉谷さんが提案しなかったら私は自分の鍵アカを作ることはなかった。



