幽霊高校生のまつりちゃん



その日以来、私は泉谷さんと屋上で話すようになった。

流行りのことや恋愛話ではなく、ただの他愛ないやり取りでも泉谷さんと話していると時間を忘れるくらい楽しかった。

それはきっと会話の中に嘘がないからだと思う。


彼女に勧められたとおり、私はこっそりと鍵アカも作った。

もちろんユーザー名やアイコンもバレないように適当なものにした。

泉谷さんの病みアカと共有できるようにと、相互フォローしたので、私の鍵アカの存在を知っているのは彼女だけ。


「ねえ、聞いて。今度、彼氏と旅行に行くんだ!」

「えー羨ましい。私なんてこの前誘ったら、またお母さんに聞いてみないとって言われたよ」

「早く別れたほうがいいよー。彼氏なんか作るより今どきパパ活したほうが絶対に得だよ」

教室では今日も三人は恋愛話で盛り上がっていた。みんなの話を聞きながら、私は机の下でスマホを打つ。


【彼氏と旅行って……合コン行きまくってるくせに】

【マザコン彼氏と離れられないのは自分でしょ】

【パパ活とかマジで引く】

本人たちに言えないことを鍵アカで呟くと、胸がスカッとした。

チラッと泉谷さんの席を見ると、私のほうを見て微笑んでいた。

泉谷さんの病みアカのフォローとフォロワー数は私と同じで1。

ふたりだけしか知らない秘密を共有していることで、運命共同体のような不思議な気持ちになっていた。