たぶん、自分が知らなかっただけで、今までもこうして仲間外れにされていたんだと思う。
SNSってすごく便利なものだと思っていたけれど、ひとつ綻びが生まれるだけでこんなに孤独を感じるものだったんだ。
「若菜のそれって、自己承認欲求って言うらしいよ」
まつりは屋上の貯水タンクへと繋がる鉄パイプの上を器用に歩いていた。
「自分の理想としてるイメージと一致してるか。自分は嫌われていないか、それを確認することで安心する。でも若菜の場合はちょっと違うかな。だって、どうせ悪口しか書いかれてないのに、それを見ずにはいられない。なんでだろうね?」
まつりがクスリと口角を上がった。
たしかに私は自分が傷つくってわかってるのに、つぶやきを見ずにはいられない。
鍵アカを覗けなかった時より、今のほうがみんなの本音が気になってしまい、寝ても覚めても頭はSNSのことばかりだ。
「そんな画面の中の鍵を開ける手伝いじゃなくて、私はもっと別の面白いことを願ってほしいな」
まつりはそう言って、鉄パイプからジャンプをした。
セーラー服のスカートがひらりと揺れたあと、手すりに寄りかかるように座っていた私の元に近づいてきた。
「面白いことって?」
「若菜のことを悪く言ってる子たちがされて困ることをしちゃうとか」
考えてみれば願いに制限なんてないのだから、こんなスマホの画面ばかりを気にしてる必要はないのかもしれない。
でも私は……。
「ねえ、さっきから誰と喋ってんの?」
ハッと声がしたほうに視線を向けると、高さのある給水塔の影に人の姿があった。



