「大丈夫だよ。美幸の環境が変わったように、なにが起きるかなんて誰にもわからない。だから、また違った形で会えるかもしれないよ」
「……そうだといいけど」
役目を果たしたまつりの姿が、どんどん薄くなっていく。
手を伸ばしたけれど空気がひんやりとしているだけで、もちろん触れることもできなかった。
「まつり本当にありがとう……!!」
ありったけの声を出した。
「お礼なんて言っていいの? 美幸はこれからひとつなにかを失うんだよ?」
「まつりのおかげで今の私がいる。ひとつくらい失っても今の生活が崩れることないよ!」
「そっか。じゃあね、また会えるといいね」
まつりはニコリと笑って、私の前から消えた。
きっと四番目の交差点に戻ってしまったのだろう。
でも彼女は前に言っていた。
私が認識していないだけで、まつりからは見えていると。
つまり、私が交差点に会いにいけば瞳には映らなくても同じ空間にはいられる。
でも多分私は、自分からまつりに会いにいくことはないと思う。
だって、例えこの先なにかを失ったとしても、私の生活が壊れることは永遠にないのだから。



