「……あ、あ……」
怖さで足の力が抜けてしまい、体がグラッとよろけた。
その瞬間、誰かに肩を触られた。
視線を感触があるほうに向けると、白くて長い指が私の肩に乗っていた。
「ひゃああっ……!!」
今まで出したことのない声を上げた。それと同時に勢いよく尻餅をついてしまった。
「ひどいな。人を化け物みたいに」
横断歩道の向こう側にいた女の子がいつの間にか私の目の前にいる。
背丈は多分私と同じくらいで155センチくらい。体の線が細くて、顔も小さく、肌は透明のように白かった。
胸元にある深紅色のスカーフとは真逆に、髪は深い黒色をしている。
毛先は綺麗に切り揃えられていて、肩に触れるギリギリの長さをしていた。
「……もしかして、まつりちゃん……?」
私は上擦った声で聞いてみた。
「うん。そうだよ」
不気味な雰囲気を壊すように、まつりの声は意外にも甲高くて可愛らしかった。



