幽霊高校生のまつりちゃん



梨花はそのあと通りかかった先生によって病院に運ばれた。

一週間が経過しても意識不明の重体であり、その命も時間の問題。

梨花が屋上から落ちたことはすぐにみんなの耳に入った。

状態からして自殺だろうと判断されたけれど、いじめの有無に関しては担任を含む全員のクラスメイトが否定した。


梨花がいない学校生活はとても穏やかだった。

まるで最初から麻生梨花なんていなかったように。

屋上から落ちた件を誰も掘り起こさない代わりに、誰も梨花の話すらすることはなくなっていた。


「伊東さん、このお菓子食べる?」

「今度みんなで遊びにいこうよ!」

梨花が消えたことで、クラスメイトたちは私のことを粗末(そまつ)には扱わなくなった。

スクールカーストでいえば底辺にいたけれど、今は一軍というポジションにいる。その理由は……。


「美幸。次、教室移動だよ」

力のある彩芽と仲良くなったからだ。


彩芽はまだ宮本のことを引きずっているようだけど、私の前では明るい顔を見せてくれることも多い。

一度は地獄を経験したけれど、梨花に復讐して本当によかった。

じゃなきゃ私は今も笑えてないと思うから。