幽霊高校生のまつりちゃん




次の日。通常どおりの授業を終えて、みんなと昼食も一緒に食べたけれど、S高の男子の話や過去の恋愛話には付いていけずに、私は笑って頷いているだけだった。


「あれ、若菜。今日早くない?」

ホームルームが終わってそそくさと帰り支度をしていると、早織が声をかけてきた。


「う、うん。ちょっと用事があって」

「へえ、友達?」

「そ、そう!中学の時の」

「プリ撮ってきてよ。若菜の友達見たい!」

「うん、撮れたらね」

私は平静を装いながら早織と別れて、昇降口で上履きからローファーに履き替えた。


校舎を出て校門を過ぎると、歩くスピードは自然と歩くなっていた。

心臓が波を打つようにバクバクしている。


誰にも見つからないように辺りを見渡しながら着いたのは噂の交差点だった。

同じ街でも駅から離れているし、家からの方向も真逆なので、ここの来たのは初めてのこと。


検索した時には気味の悪いことばかりが書かれていて、勝手に暗いイメージを想像していたけれど、十字路の道路はどこにでもあるような普通の場所だった。

数えきれないほどの車が次から次へと行き交っていて、奇妙な噂があるとは思えないほどに。

けれど、萩野まつりに会えるという四番目の交差点の前に立つと、なんとも言えない空気が漂っていて、自然と鳥肌が立っていた。

なんだか誰に見られているような、居心地の悪さを感じる。

よく心霊スポットにいくと肩が重くなったり、体調不良になったりすると聞くけれど、霊感のない私でさえこの場所には〝なにかいる〟と直感で思った。

足元がひんやりとした気がして視線を下に向けると、電柱の側に真新しい白い花が置かれていた。

ゾクッと背中が寒くなって、やっぱり止めようと足が後ろに下がったけれど、それを(はば)むようにして大きな風が私の背中を押した。